客観的簡易精神機能測定指標確立に向けた検討/永井邦芳 教授
精神機能の評価は、当事者及び支援する専門職者の主観的評価により行われており、有効な客観的指標が存在しません。主観的評価は人間の心の働きを評価するうえで重要な指標である一方で、主観的であるがゆえに測定者による判断による評価個人差の問題やデータの共通理解の困難さが伴います。この問題に対して元東大教授の故臺弘先生が精神機能を簡易且つ簡便に客観的に測定できるテストバッテリーとして臺式簡易精神客観指標(UBOM)を作成しました。この指標を活用することにより、精神診療やリハビリなどにおいてより有効な支援へとつながることが期待できると考えていますが、普及に向けて測定データを収集し、指標の信頼性妥当性を高めていく必要があります。現在、医師、作業療法士、看護師その他精神障害者支援を行う専門職者による多職種で構成されたUBOM研究会の一員として研究を積み重ねています。
リエゾン精神看護に関する検討/精神看護学の教授方法に関する検討/藤澤浩美 講師
私は臨床でリエゾン精神看護専門看護師として勤務した経験があります。その経験から精神科以外の領域において精神看護の知識や技術を適用した臨床看護実践の方法や看護スタッフへの教育的支援およびメンタルヘルス支援についての検討を続けています。また通算20年にわたる教員経験を通じ、他大学の教員とも連携して、精神看護学におけるよりよい教授方法を目指し、検討を進めています。
メンタルヘルスとMuscle Strengthening Exercise(MSE)に関する研究、認知行動療法に関する研究/岡本将吾 講師
精神医療では、人の「こころ」や「精神」という、形のない、目には見えにくいものに携わります。これまでさまざまな患者さんと出会ってきました。また、看護師に加えて、医師、心理師、作業療法士、精神保健福祉士などたくさんの人と一緒に協働してきました。そのような臨床での経験をふまえ、どのような関わりや介入がこころの健康を促進するのかをテーマに研究をしています。メンタルヘルスとMuscle Strengthening Exercise(筋力トレーニング)に関する研究や、認知行動療法に関する研究に取り組んでいます。