研究領域・教員紹介

精神看護学領域

こころの健康と支援の在り方を探求する

精神看護学領域は、こころの健康を志向する精神保健(mental health)と、精神障がいを持つ人の看護(psychiatric nursing)の2つの柱が存在します。
世間一般に偏ったイメージ形成がなされやすい精神看護ですが、実際に取り扱うことは決して特殊なものではなく身近なことです。
例えば、こころの健康を考えたとき、私たちはいつも心穏やかに明るく日々を過ごせているわけではありません。仕事や学業がうまくいかなかったり、人間関係に傷つくことは誰にでもあることです。しかし、同じエピソードでも、その影響は個人個人で大きく異なり、影響が長く続くと日常生活への適応が難しくなったりします。このようなことから、こころの健康をいかに促進していくかということはQOLの向上にとって欠かすことのできないことです。精神看護学領域は、こころの健康をいかに促進していくか、精神障がいを持ったとしても地域の中で生きがいをもって生活していけるためのより良い支援として何ができるのかを探究します。

教員一覧

岩瀬信夫(特任教授)

[専攻分野]
看護学:精神看護学
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永井邦芳(教授)

[専攻分野]
看護学:精神看護学
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木野有美(助教)

[専攻分野]
看護学:精神看護学
[関連サイト]
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精神看護学領域の研究

ソーシャルサポート研究、精神障害当事者・家族のエンパワメントに関する研究/岩瀬信夫 特任教授

ソーシャル・サポート のストレス緩衝仮説に基づきDuke  Social Support Indexの日本語版の開発をはじめ、手法的には共分散構造分析を用いた量的研究を1990年~2000年代後半まで行ってきました。2000年代の後半から2020年は、事例、現象からの概念構築を目指し、ストラウス派のグラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)や木下のMGTAなどを用いた質的研究にシフトし、統合失調症当事者の就労支援に関連した看護モデル開発や、抑うつ障害患者の看護レジリアンスモデルの開発の研究協力者として活動する一方、全体的方向として精神障害者当事者・家族のエンパワメントに関する研究・実践を行ってきました。

客観的簡易精神機能測定指標確立に向けた検討/永井邦芳 教授

精神機能の評価は、当事者及び支援する専門職者の主観的評価により行われており、有効な客観的指標が存在しません。主観的評価は人間の心の働きを評価するうえで重要な指標である一方で、主観的であるがゆえに測定者による判断による評価個人差の問題やデータの共通理解の困難さが伴います。この問題に対して元東大教授の故臺弘先生が精神機能を簡易且つ簡便に客観的に測定できるテストバッテリーとして臺式簡易精神客観指標(UBOM)を作成しました。この指標を活用することにより、精神診療やリハビリなどにおいてより有効な支援へとつながることが期待できると考えていますが、普及に向けて測定データを収集し、指標の信頼性妥当性を高めていく必要があります。現在、医師、作業療法士、看護師その他精神障害者支援を行う専門職者による多職種で構成されたUBOM研究会の一員として研究を積み重ねています。

感情調節困難な当事者と家族へのパートナーシップを重視した支援、精神疾患を持つ人と家族が安心できる地域生活に関する研究/木野有美 助教

精神医療の地域支援の場では、感情調節困難な当事者と緊密な関係にある家族が疲弊する事例に出会います。家族は、当事者が体験するストレス事象の多くを共有すると同時に、当事者の衝動性の影響により苦難を経験しています。当事者の回復だけでなく、このようなご家族が持てる力を取り戻すことを目的として家族とともにピアグループ活動の推進を行っています。特に、科学研究費助成事業若手研究B「『感情調節困難な当事者と向き合う家族』を対象とした地域家族会プログラムの構築」では、セルフヘルプグループやサポートグループの効果の検討を行っています。